ここ最近磯子のメジナの釣果がガクンと落ちてしまいました。う~ん磯子のメジナは終わってしまったのか?それともまだチャンスはあるのか?
メジナの活性が下がる主な原因は海水温の低下と思われます。メジナは12℃以下になると捕食活動をやめてしまい、メジナはじっとしているか、もっと暖かい場所を求めて沖へ移動している可能性があります。
本記事では、実際のデータをもとに解説し、磯子のメジナベストシーズンを考えてみたいと思います。
低水温期とは
魚は変温動物なので、体温は水温より若干高めか、ほとんど同じといわれています。一般的に水温が低下すると動きは鈍くなり、水深のある磯際や、海溝などの流れの緩い場所で動かないで留まっていることが多くなります。
一般的にグレの適水温は17〜20℃程度で、グレが釣れる限界水温は12℃と言われています。それ以上水温が下がると、メジナは捕食活動をやめ、じっと動かずにエネルギー消費を抑えるようになります。
毎年11月後半になると水温が16℃を切るようになり、1月に入ると水温はどんどん下がり12℃を切ることもあります。この状態はおおよそ3月中旬くらいまで続きますが、この12℃を切る1~3月の間が低水温期と呼ばれています。
水温が下がった時の魚の行動
人間を始めとする哺乳類は恒温動物で気温の上下にかかわらず代謝ができるので、寒くても活動することが出来ます。しかし魚は爬虫類のように変温動物なので、水温が下がると代謝しなくなり、動かなくなり(動けなくなり)捕食活動をしなくなります。
低水温期には魚の活性が非常に悪くなることは容易に予想できます。撒き餌を打ち込んでもグレはおろか餌取りの姿さえ確認できないこともあるのは、低水温によって魚が行動できない(行動出来ない)と考えられるからです。岩陰や穴などの住み家にじっと身を潜め、エネルギー消費を抑えているのでしょう。
低水温期のグレは・・・
チヌは耐寒性が強い魚で水温8度ぐらいでもチヌを釣ったという話は聞きます。それと比較すると、グレは水温の変化に敏感です。エサを取らなくなると云うより、暖かい場所を求めて移動するようです。水温の安定した地域、あるいは深みへ落ちていくことはよく知られています。基本的には磯に居着く魚なのですが、渡り鳥のように回遊するのです。しかし寒グレも水温14度を切るぐらいから、極端に活性が下がりエサを取らなくなります。逆に言うと、低水温期に食ってくるグレは大型の確率が高いということです。皆さん大型のグレを釣りたいので冬がシーズンと言われているんですね。
磯子海づり施設の水温
じゃあ、実際にわいこばが釣りをしているエリア(横浜/磯子)ってどんな状況なの?ということですが、ここ1か月の磯子の「水温の変化」と「メジナの釣果」をまとめてみました。(数値は磯子海づり施設より引用)
2024 | 海水温 | 数 | 最大 |
11月16日 | 19.5 | 35 | 42.0 |
11月17日 | 20.0 | 52 | 39.0 |
11月18日 | 20.0 | 21 | 29.0 |
11月19日 | 19.0 | 40 | 41.0 |
11月20日 | 19.0 | 15 | 22.0 |
11月21日 | 19.0 | 77 | 31.0 |
11月22日 | 19.0 | 85 | 40.0 |
11月23日 | 18.5 | 22 | 46.0 |
11月24日 | 18.0 | 54 | 40.0 |
11月25日 | 18.0 | 26 | 40.0 |
11月26日 | 18.0 | 20 | 41.0 |
11月27日 | 18.0 | 20 | 39.0 |
11月28日 | 17.0 | 20 | 38.0 |
11月29日 | 17.0 | 25 | 40.0 |
11月30日 | 16.0 | 19 | 38.0 |
12月1日 | 17.0 | 51 | 43.0 |
12月2日 | 16.0 | 35 | 34.0 |
12月3日 | 17.0 | 16 | 39.0 |
12月4日 | 17.5 | 15 | 34.0 |
12月5日 | 17.5 | 41 | 41.0 |
12月6日 | 17.0 | 12 | 27.0 |
12月7日 | 17.0 | 34 | 32.0 |
12月8日 | 17.0 | 22 | 28.0 |
12月9日 | 16.5 | 16 | 33.0 |
12月10日 | 16.5 | 26 | 29.0 |
12月11日 | 16.0 | 21 | 38.0 |
12月12日 | 16.0 | 3 | 30.0 |
12月13日 | 15.5 | 34 | 36.0 |
12月14日 | 15.5 | 5 | 38.0 |
12月15日 | 15.0 | 26 | 30.0 |
このまとめで見ると、11月中旬から後半にかけて数、サイズともに上がっています。特に11月22日からは5日連続40cmオーバーが出ています。
正に先ほど言っていた「メジナの適水温17〜20℃程度」の間に集中していると言えます。
次にこのデータをグラフ化してみたので詳しく見てみましょう
水温と釣れた数の関係
全部グラフに入れると見難くなるので「数」「サイズ」で分けてみました。
まずは「水温と数の関係」
水色の折れ線グラフが「水温」、黄色の棒グラフが「数」を表しています。
パっとみると、水温と共に段々釣果も落ちてきているように見て取れます。
特にこの赤丸の部分は綺麗に水温の低下と一緒にメジナの釣果が落ちているのがわかると思います。
また、12月1日は水温がピョコっと上がるのと一緒に釣果も一瞬上がっています。しかし、これは水温だけのせいとは言えず、12月13~15日もそうですが、これは大潮と重なっていることから、潮周りが水温のマイナスを打ち消し、活性が上がったと言えそうです。
水温とサイズの関係
次に「水温とサイズの関係」ですが
水色の折れ線グラフが「水温」、青色の棒グラフが「サイズ」を表しています。
グラフにしてみると、「数」との関係に比べて顕著な影響はそこまで見られません。
水温の低下と共に緩やかにサイズも落ちてきています。これは木っ端に比べて大型のメジナの方が寒さに強いといったところです。
また「数」の時と同様に大潮周りではサイズも上がる傾向にあるようです。
今後の水温予想
上記データから今後の水温変化を予想してみます。
徐々にこのペースで水温が下がっていくと仮定すると、年明け頃にメジナの活動限界水温12℃に達しそうなので、今年いっぱいはフカセ釣りは楽しめそうです。20日まであるメジナCUPはなかなか厳しいラスト一週間を迎えそうです。
ちなみに昨年の釣り収めは12月23日でしたが、その時の水温は14.5℃とそこまで下がっていませんでした。(昨年は今時分でも18℃と高水温だった為でもあります)
今年は水温が夏から一気に下がっているのでさぞメジナもびっくりしていることでしょう。
まだこの先良型が望めるのは、潮が効いている今週いっぱいかもしれません。磯子メジナカップは最後の盛り上がりに期待しましょう!
磯子のメジナベストシーズン
以上のデータと合わせて、ここ数年磯子に通っているわいこばが考える磯子「メジナベストシーズン」を発表したいと思います。通常、一般的に言われるグレ(メジナ)のシーズンはエサ取りが減る12~2月の冬ですが・・・
ベストシーズン 11月、12月
ワーストシーズン 1月、2月、3月
です!
今までの経験上11月くらいから足裏サイズの数釣りが楽しめ、徐々にサイズアップし12月後半までワンチャン40cmオーバーが狙える時期となっております。しかし、磯子は1月に入ると水温が12℃まで下がり、メジナはほとんど釣れなくなってしまいます(昔は釣れないこともなかったのですが・・・)。
まとめ
本記事ではここ一か月の磯子の「水温・釣果データ」を分析、考察してみました。やはり水温の低下にメジナの活性はハッキリ影響を受けているように見えます。もちろん水温だけでなく、天候や潮周り、風、気温、日光等いろいろな気象条件が複雑に影響しているので、水温だけで判断することはできませんが、多少の言い訳にはなるのではないでしょうか(笑)
いろいろと考えるのが釣りの楽しみの一つでもあるのです!みなさんもいろいろと考察してみてください!
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