秋の海釣りは、初心者にとって非常に魅力的なシーズンです。海の気温が下がり始めるこの時期、多くの魚が活発に動き回り、釣果が期待できる絶好のタイミングと言えます。特に魚たちは冬に備えてエサをたくさん摂取し始めるため、初心者でも簡単に魚を釣り上げることができるでしょう。
海釣りの初心者の多くが直面する疑問は、「どの魚を狙うべきか?」や「どうやって釣ればいいのか?」といった基本的なものです。この記事では、秋の海釣りシーズンに初心者でも簡単に狙える魚種や、その釣り方について詳しく説明します。秋は魚の活性が高いシーズンなので、ポイントさえ押さえれば大物を釣るチャンスも増えます。
それでは、秋に狙うべき魚種、必要な道具、釣り方、そして釣り場の選び方まで、徹底的に解説していきます。
秋に狙うべき魚種

秋の海釣りで特におすすめの魚種を紹介します。それぞれの魚には、独自の習性や釣り方があり、それを理解することで釣果を上げることができます。
1. アジ

アジは年中釣れる魚ですが、秋にはサイズも大きくなり、非常に人気があります。サバに比べてやや小型ですが、味が良く、釣った後の食事も楽しみのひとつです。秋には「尺アジ」と呼ばれる30cm以上の大型アジが釣れることもあり、初心者にとってもチャレンジしがいがあります。
釣り方
アジはサビキ釣りが一般的です。特に群れで行動しているため、一度釣れ始めると数釣りが期待できます。コマセをしっかり撒きながら、タナをこまめに調整することが重要です。
エサ
アジ釣りのエサとしては、アミエビが定番です。アミエビを使ったコマセも非常に効果的で、魚を引き寄せやすくなります。
ロッドとリール
アジ釣りでは、2.7m前後のライトロッドや、サビキ専用竿が最適です。
リールは、2000~3000番のスピニングリールを使いましょう。ラインは、ナイロンの3号でOKです。
2. サバ

サバは秋になると沿岸に多く回遊し、特に初心者におすすめの魚種です。引きが強く、釣ったときの手応えが大きいので、釣りの醍醐味を感じることができるでしょう。サバは回遊魚なので、一度群れに遭遇すれば数釣りが期待できます。秋のサバは脂が乗って美味しく、釣り人にも大人気です。特に港や堤防で群れが入ると、一気に数釣りが楽しめます。
釣り方
サバは回遊魚のため、群れが回ってくると短時間で大量に釣れることがあります。基本的にはサビキ釣りが効果的で、コマセを巻いて魚を寄せたら、サビキ仕掛けをタナに合わせて誘います。かかったら横に勢いよく走ることがあるので、隣の人とお祭りしないように強引に巻いて引き寄せましょう。サバの引きは強烈な為、仕掛けもアジよりも強いものが必要です。
エサ
サバ釣りには、アミエビをコマセとして使い、サビキ仕掛けを合わせるのが一般的です。エサが必要ないことも多く、コマセだけで魚を寄せて釣るスタイルが主流です。
ロッドとリール
サバ釣りには、3m前後のサビキ竿やライトショアジギングロッドが適しています。サバは群れで回遊するため、遠投して広範囲を探るのも効果的です。リールは、3000〜4000番のスピニングリールが良く、ドラグ性能の良いモデルが推奨されます。サバは強い引きを見せることが多いので、伸縮性の良いナイロンラインの3号がおすすめです。
3. カワハギ

カワハギは釣って楽しい上に、食べて美味しい魚として人気があります。特に秋は肝が大きくなるため、多くの釣り人が狙うターゲットです。カワハギ釣りは繊細な釣りであり、初心者でも楽しめますが、少しのコツが必要です。
釣り方
カワハギ釣りでは、胴付き仕掛けを使って、底付近を狙います。カワハギは非常にアタリが繊細で、強く引くというよりは「ツツツ…」といった細かなアタリを感じ取る必要があります。ロッドの穂先で微かなアタリを感じたら、即座にアワセを入れるのがポイントです。釣り場の地形や水深を確認しながら、適切なタナを探ることが重要です。また、根掛かりしやすい場所でもあるため、根回りを丁寧に探りつつ釣ることで、カワハギに出会える確率が上がります。
エサ
カワハギ釣りのエサには、アサリの剥き身が定番です。アサリを使う理由は、カワハギが口で器用にエサをついばむためで、剥き身は食い付きが良く、しっかりとフックに掛かる確率が高いからです。また、エサの消耗が激しいため、小まめにエサを交換することが釣果を左右します。
ロッドとリール
カワハギ釣りには、専用のカワハギ竿が理想です。長さは1.8〜2.1mのショートロッドが適しており、特に穂先が非常に繊細で、微かなアタリを感じ取れるものを選びましょう。リールは、小型の両軸リール(ベイトリール)が主流で、繊細なドラグ設定が可能なモデルがおすすめです。ラインは、PEラインの0.6〜0.8号を使い、リーダーにはフロロカーボンの2号程度が推奨されます。
4. アオリイカ

秋の海釣りで特に人気があるのがアオリイカです。特に秋は新子(若いアオリイカ)が大量に回遊してくるため、初心者でも手軽に釣りやすくなります。この時期のアオリイカはサイズが小さく、大きな引きを感じることは少ないかもしれませんが、その数の多さが魅力で、初心者にも簡単に釣れます。
釣り方
アオリイカは「エギング」というルアー釣りの一種で狙います。エギという専用のルアーを使って、イカを誘い、掛ける釣り方です。エギは種類や色、サイズが多岐にわたるため、状況に応じて使い分けることが重要です。基本的なエギングのテクニックは、キャスト後に一定の間隔でエギをしゃくり、イカにアピールする動作です。アオリイカは好奇心が強く、エギの動きに反応します。
具体的にはキャストした後、エギを一旦底まで沈めます(沈んでいる間は糸がどんどん出ますが、着底すると糸が出なくなります)。その後竿を大きく3回アオります。5~7秒ほどまだエギを沈めまた竿をあおる、を繰り返しましょう。
エギ

エギは2.5〜3.5号が一般的です。カラーローテーションが重要で、朝夕の薄暗い時間帯には赤やピンク系のエギ、日中の晴れた時間帯にはナチュラルカラーやゴールド系が効果的です。エギのサイズも状況に応じて使い分け、新子が多い場合は小さめのエギ(2.5号)を使用し、大型狙いには3.5号を投入します。
ロッドとリール
アオリイカ釣りに適したロッドは、長さが8〜9フィート程度のエギング専用ロッドです。柔軟性があり、エギ(ルアー)をシャクリながら操作しやすいものが理想です。アオリイカは吸盤で獲物を捕えるため、竿が硬すぎるとバラシやすくなるので、適度な弾力があるロッドが重要です。
リールは、2500〜3000番クラスのスピニングリールがおすすめです。軽量で巻き取りがスムーズなものを選び、ラインはPE0.6〜1号程度を使用します。リーダー(ハリス)はフロロカーボンの2〜3号が標準です。リーダーはイカが吸盤で引っかけるため、透明で強度のあるものが有効です。
釣り方のコツ
エギをキャストした後、糸フケを取ってからシャクる動作が基本です。シャクり後、フォール(エギが自然に沈む状態)を長めにとり、イカにアピールします。フォール中にアタリが出ることが多いため、ラインの動きに集中することが大切です。アタリを感じたら、焦らずに合わせを入れましょう。
5. タチウオ

タチウオ(太刀魚)は、細長い体型と鋭い歯を持つ、非常に美しい魚です。特にその銀色の光沢が特徴的で、釣り人にとって魅力的なターゲットです。秋はタチウオが活発に餌を求めて回遊する季節であり、多くの釣り人が狙います。
釣り方
タチウオ釣りにはいくつかの方法がありますが、以下の2つが一般的です。
ジギング: メタルジグを使ってタチウオを狙う方法です。速いリトリーブやスローピッチでのアクションが効果的です。特にタチウオは高いアクティビティを持っているため、素早い動きに反応します。
テンヤ:テンヤとは、鉛製のオモリにフックが取り付けられた仕掛けで、イワシやサンマなどの切り身を巻いて使用する為、ジギングよりも食いが良いことが多いです。
ロッドとリール
ロッドは7~8フィート程度のライト~ミディアムアクションのロッドが理想です。タチウオは比較的引きが弱いので、柔軟性のあるロッドを選ぶと良いでしょう。
リールは2500~3000番程度のスピニングリールがおすすめです。ドラグ性能が高いもので、タチウオの引きに対応できるものが理想です。ラインは PEラインを1.0~1.5号、リーダーは太刀魚の鋭い歯で切られないようにフロロカーボンの3~5号またはワイヤーハリスを使用することが一般的です。
釣りのポイント
- 時期: 秋の夕方から夜にかけて活発になるため、特にこの時間帯が狙い目です。
- 場所: 港や磯、堤防などの周辺で見られ、周囲にベイトフィッシュが多い場所を選ぶと良いでしょう。
- 潮の動き: 満潮や干潮の時に活発になるため、潮の動きも考慮して釣行すると釣果が上がります。
秋の海釣りで活躍する道具
フィッシュグリップ
フィッシュグリップは、魚を安全にキャッチし、持ち上げるための便利なツールです。海では毒魚も釣れることがあるので、よく分からない魚が釣れた時には素手で触らないようにしましょう。

水汲みバケツ
釣った魚を水汲みバケツに入れておくことで、活かしの状態を保ちます。これにより、釣った魚を新鮮な状態で持ち帰ることができます。また釣り餌や手を洗うためにも使えます。軽量で折りたためるタイプの水汲みバケツもあり、持ち運びが楽で、釣りの際に荷物を軽減できます。
3. ウェアや安全装備
秋の釣りは天候が変わりやすく、風や寒さへの対策が必要です。防寒対策として、ウインドブレーカーやレインジャケットを持参すると良いでしょう。また、釣り場では足元が滑りやすい場合もあるため、滑り止めの付いたシューズやライフジャケットを着用することを強くおすすめします。安全第一で釣りを楽しみましょう。
秋の釣り場の選び方
秋の海釣りシーズンに成功するためには、釣り場の選び方が鍵となります。どの場所で釣りをするかによって、狙える魚種や釣果が大きく変わるため、しっかりと下調べをしておくことが重要です。
1. 防波堤
初心者に最もおすすめの釣り場が防波堤です。防波堤は足場が安定しており、海に面した部分が広いため、さまざまな魚種を狙うことができます。特に秋は回遊魚が防波堤に近づくため、サバやアジ、イワシなどの数釣りが期待できます。
2. 磯場
少し上級者向けの釣り場が磯場です。磯は魚影が濃く、メジナやクロダイ、スズキなどの大型魚を狙えるスポットです。しかし、足場が悪く滑りやすいので、安全対策を徹底する必要があります。磯釣りは釣果が期待できる分、リスクも伴いますので、装備をしっかり整えて挑みましょう。
3. 港
港も初心者にとって非常に釣りやすい場所です。港湾内は波が穏やかで、魚も集まりやすい環境です。特に秋は、港内にイワシやコノシロなどの小型の回遊魚が多く入り込むため、それを狙った大物も釣れることがあります。
横浜近辺おすすめ釣り場
本牧海づり施設
本牧海釣り施設は、横浜市にある海釣り公園フィッシングピアーズの一施設です。釣り人収容人数は700名で、新護岸、旧護岸、渡り桟橋、沖桟橋、つり場の4つのポイントがあります。どのポイントも魚種や季節によって釣れる魚が違いますが、アジやサバ、イワシ、メバルやカサゴなどが釣れる、全国でも最大規模の海釣り施設です。

大黒海づり施設
大黒海釣り施設は横浜港の入り口にあり、海に突き出た堤防の海釣り施設です。潮回りが良い為、大物の青物やイカ等が釣れるためシーズンには賑わいを見せます。

初心者が気をつけるべきポイント
海釣り初心者が秋の釣りを楽しむために、気をつけるべきポイントをいくつか紹介します。
1. 天候チェック
秋の海は天候が急変しやすい季節です。事前に天気予報を確認し、強風や波の高さにも注意しましょう。特に初心者は、波が高い日に磯釣りなどの危険な場所に行くことは避け、穏やかな場所での釣りを心がけることが大切です。
2. 周囲の釣り人との距離
秋は釣り人が増えるシーズンでもあります。他の釣り人との距離を適切に保ち、互いにトラブルがないように配慮することが大切です。キャスティングの際には周囲を確認し、安全な距離を保つよう心がけましょう。
3. 釣り具のメンテナンス
海水は釣り具にダメージを与える原因となるため、釣行後には必ず道具を洗浄しましょう。特にリールやロッドのメンテナンスを怠ると、次回の釣行時にトラブルが発生することがあります。初心者こそ、道具のケアをしっかり行うことで長く釣りを楽しむことができます。
まとめ
秋の海釣りシーズンは、初心者にとって非常に楽しめる季節です。魚の活性が高く、比較的釣りやすい魚種が多いため、しっかりと準備をして挑むことで、充実した釣りの経験が得られるでしょう。アオリイカやサバ、アジといった秋に狙える魚種を覚え、それぞれに合った釣り方をマスターすれば、初心者でも大物を釣り上げるチャンスがあります。
さらに、釣り場の選び方や必要な道具の準備、安全対策も忘れずに行うことで、安心して秋の海釣りを楽しむことができます。この秋、ぜひ釣りに挑戦してみてください!
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