着々と工事が進められている『金沢海釣り遊歩道(仮称)』ですが、ゴールデンウィーク前にオープン予定となっており、一カ月前となってもなかなか情報が入ってきません。
ちらほらと工事の進捗状況の情報はあるのでチェックしてみましょう。
金沢海釣り施設とは

そもそも金沢海釣り施設ってなに?っということですが
2019年9月の巨大台風15号で横浜市金沢区福浦・幸浦地区の護岸(いわゆる福浦岸壁)が損壊したことに始まります。護岸の補修と共に護岸上部の海釣り施設・遊歩道化が決定し、横浜の新名所として『金沢海釣り遊歩道(仮称)』の施工が始まりました。
堤防かさ上げ工事が急ピッチで進められ、復旧の方針は「今後発生し得る最大の高潮・高波を防護できる堤防」。そのため、防潮堤の高さは地上3m、海面までの高さは6.4mという、防災上はかなり安心な堤防へと生まれ変わります。
【海釣り施設を相次いで整備へ】
— たけのうち猛 (@Takenouchi_T) March 8, 2021
本日の予算特別委員会で、金沢海釣り施設整備の検討状況を確認し、局長より4年度からの整備着手を目指して課題の整理と予算確保に努める旨の答弁。また本牧海釣り施設の3年度中の完全復旧に加え、現在工事中の新本牧ふ頭への新たな海釣り施設設置が表明されました。 pic.twitter.com/S1MRHgh8Zw


4月初旬現在、工事状況は順調に進んでおり、遅延しているという情報はないので、おそらくゴールデンウィークオープンに向けて着々と進められていると考えて良いと思います。
名称は「金沢水際線緑地」に決定?
工事現場には施工情報と共に、既に案内図も設置されており、そこには『金沢水際線緑地』と記載されています。案内図に書かれているくらいなので、これが正式名称と考えてよいでしょう。

正式名称「金沢水際線緑地」から分かること
以前は「金沢海釣り遊歩道(仮称)」という仮の名称が付いていましたが、今回正式に決定した名称「金沢水際線緑地」には釣りの文字がありません。
以前は、福浦岸壁という釣り場のイメージ強かった場所を釣り場ではなく、むしろ遊歩道の色の方が濃く、「地域の人が楽しめる憩いの場」として作ったという意思が見えます。
新『釣り場』として再生したのであれば、ルールや規制を変える、または注意喚起をすることで釣り場としての施設を維持するとは思います。しかし釣り場ではなく、基本的には遊歩道であるとなってしまうと、ルールを守らない人や、事件・事故が起きた場合は容赦なく「釣り禁止」になる可能性が大いにあると考えるのが普通でしょう。
これで、入場料も取らない「無料」ということに納得しました。釣り施設として「無料」というのはかなり珍しいですが、逆に遊歩道で有料というのもあまり聞いたことがありません。有料の遊歩道には誰も来ませんからね・・・
金沢水際線緑地は24時間開放

さらに、『金沢水際線緑地』は24時間開放が決定しているようです。夜釣りが出来る釣り場というのはなかなかないので、とてもありがたいです。
また街灯に照らされた遊歩道というのも幻想的ですから、デートスポットにもなるかもしれませんね。
場所取り問題
24時間開放は嬉しいことではありますが、これまた以前の旧福浦岸壁と同様に場所取りの問題が発生しそうです。毎日釣りに来るような常連さんはおそらく365日24時間体制で自分の場所を確保するでしょう。こういった方達をどのように管理するかも今後の課題になりそうです。特に夜は無法地帯と化す確率が高い気がするので、釣り場を存続する為にもルールやマナーを徹底してほしいところではあります。
工事の進捗状況
それでは3月末の状況ですが、現在の工事進捗状況を確認してみましょう。
横浜市議会委員のたけのうち猛さんのツイートでも「ゴールデンウイーク前の供用開始に向けて、順調に工事が進んでいます!」とのお墨付き。
【金沢海釣り遊歩道(仮称)の建設が着々】
— たけのうち猛 (@Takenouchi_T) February 3, 2023
金沢・福浦地区の台風被災地に、新たな賑わいの名所!ゴールデンウイーク前の供用開始に向けて、順調に工事が進んでいます! pic.twitter.com/EFqmtZ77W3
釣り場と遊歩道
一番のメインとなる釣り場と遊歩道です。広々としてとてもきれいな遊歩道が出来上がっています。

街灯や侵入防止柵が並んでいます。
若干、事前に出ている「護岸復旧断面イメージ図」とは街灯の位置が異なっていたりしますが、概ね工事は完了しているようです。

長さは約1kmある釣り場はなかなか壮観ですね。

海釣り施設や遊歩道としても整備が進められ、堤防の上に腰掛けたり、子供が走ったりしないように高さ100㎜の手摺が設けられました。歩道面からは高さ1100㎜となり転落防止としての機能も果たしています。とはいえ、絶対に子供は高いところに上りたがるので、保護者の方は絶対に目を離さないようにしましょう。堤防が高い為、落水すると大変な事故に成り得ます。

この手すりには沢山ロッドホルダーを付けられることになるのでしょう。支柱ブラケット部分は鋳鉄製。ブラケット・ビーム部分共に溶融亜鉛メッキ後フッソ樹脂塗装仕上げとなっており、汚れも付き難く加工されていますが、各自コマセ等で汚れた釣り場を綺麗にして帰るように心がけたいですね。

ロッドホルダーは「第一精工 スーパーパイプ受太郎」がお勧めです。
直径φ40mm~100mmまでのパイプ取付専用の竿受で、細径パイプでもスベりにくいようにノンスリップラバーも標準装備されているので、しっかりと固定できるので安心です。竿受けがあるとないとでロッドへの負担や快適性が劇的に変わるので1つは持っておくとよいでしょう。
人が間詰石帯へ進入しないように、進入防止柵(チェーン柵)を採用。転落防止柵・進入防止柵共に支柱ピッチ2m、全長約1kmに渡り設置。

支柱は角鋼で溶融亜鉛メッキ後フッソ樹脂塗装仕上げ。チェーンはステンレス製の電解研磨仕上げ。

管理棟
無料の施設とは思えないほど立派な管理棟が出来上がっています。中には売店やお手洗い等が完備される予定で、快適な釣り場空間を提供してくれます。


実際の釣り場のイメージ
さて、もうすぐオープンということで、実際の釣りとしてはどんな風な感じになるのかイメージしてみましょう。
足元の釣り
旧福浦岸壁では足元にはこのように一段あり、実は足元のサビキ釣りが出来ない状況でした。基本的にウキを付けて投げるか、ぶっこみサビキのように少し投げる必要がありました。

しかし、新しい『金沢水際線緑地』は足元はすぐに海に面しており、そのまま堤防からサビキ仕掛けを落とすことが可能となっています。

また消波ブロックの隙間等は丁度良い魚の住処にもなっており、カサゴやメバル等の根魚や、クロダイ、メジナ等の魚も居付きやすい状況となっているので、ブラクリを付けた探り釣りや、ヘチ釣り、ウキフカセ釣りが出来そうです。
遠投釣り
旧福浦岸壁では、良型のアジや青物が釣れることで、カゴ釣りが人気でしたが、『金沢水際線緑地』でも、良型の青物を狙うとなると、カゴ釣り、ジギングがメインになるのではないかと思われます。
泳がせ釣りでは、大型青物やヒラメ、スズキ、マゴチも期待できそうですね。
魚の取り込みが大変
『金沢水際線緑地』ではいろいろな魚が狙えそうで盛り上がること必至ですが、一つ問題があります。
それは堤防から海面までの高さです。
釣り場の堤防から海面までの距離は8mくらいという情報がありますが、大きな魚がかかった時にはタモ入れがかなり苦労することになりそうです。せっかく大きな魚がかかったのに、取り込めないというのは悲しいですね。
潮汐のことを考えると、干潮の時は10mくらいのタモが欲しくなりそうですが・・・
一応9mのものはありました。
10m以上となると、このような落としタモ網を持参しないといけないのでしょうか・・・
釣りを楽しむには海面までの高さがありますが、防災上やむを得ないところでもあります。基本的には『防波堤』が主要な施設ですから。
釣り方規制

様々な釣り方でいろんな魚が狙えてかなり期待ができる『金沢海釣り遊歩道(仮称)』ですが、その仮称にもあるように、遊歩道と共用になっているのを忘れてはいけません。
釣り場、遊歩道を含めた幅は5mしかなく、その中には釣りをしている人だけでなく、小さな子供を釣れた家族や、散歩を楽しんでいる観光客が必ずいます。

そんな場所で、大きな針の付いた仕掛けを思い切り振りかぶって投げることは許されるのでしょうか・・・
立て看板には「投げ釣り禁止」の文字が
工事現場に既に設置されている案内図がこちらです。

良く見ると・・・
既に「投げ釣りの禁止」の文字があります。

これで投げ釣りは出来ないことが分かりました。ですが逆に言うと、その他の釣りは大丈夫とも読み取れます。しかし、今のところ「投げ釣り」の解釈もはっきりとはわかりません。釣りをしている人は「投げ釣り」は、天秤や胴突き仕掛けをつけたカレイやキス等を狙う釣りと考えますが、釣りをしていない人からすると、カゴ釣りやルアー、エギング等のとりあえず「投げる」釣りの事も含んでいるのかもしれません。
とはいえ他の釣りに関しても、「後ろを確認してから投げる」というのは最低限のマナー、ルールですが、事故が起こってからでは遅いので、オーバースロー禁止、アンダースローのみということもあり得ます。アンダースローとなると、その堤防の性質上、遠投は難しくなりそうです。
大事なのは正式名称『金沢水際線緑地』にもあるように、基本的には釣り場ではなく遊歩道として地域の人が楽しめる憩いの場所として、この場所が生まれ変わったということです。
以前の福浦岸壁のように無法地帯と化してしまうと、すぐに「全面釣り禁止」となる可能性は高いと思います。この魚影の濃い、みんなに愛された「旧福浦岸壁」という釣り場を守る為にも、一人一人の釣り人が注意し、声を掛け合って、新しく生まれ変わる『金沢水際線緑地』を尊重することが大事ですね。
まとめ
今回はゴールデンウィークオープン直前の旧福浦岸壁改め、新名称『金沢水際線緑地』の工事進捗情報と釣り場のイメージをお伝えしましたが、実際にはいつからオープンするのか、釣り方はどうなるのか、公式情報が待ち遠しいですね。そろそろ、いろんな情報が出だす頃なので『金沢水際線緑地』から目が離せません!!
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