みなさんホンダのPS250というバイクをご存じでしょうか。おそらく聞いたことも見たこともない人が多いかもしれません。というのも2004年から2007年の間だけ販売されていたのでそもそも数が少ないので街中で見かけることがないのです。しかし!このユニークなデザインは見る人を虜にし、今ではその希少性も相まって価格が高騰するほどの人気ぶりです。
ではPS250とはどんなバイクなのでしょうか。
Nプロジェクト
ホンダは2001年から4年間、異なった出自を持つ独創的なモデル、つまり、まったく新しいコンセプトを与えられたモデル群が登場した時期がありました。これらは「Nプロジェクト」として知られ、若者のライフスタイルに合ったモーターサイクルを研究・開発する若手の開発者が中心となって立ち上げたプロジェクトで、技術的に革新的なチャレンジを得意としていました。しかし、商品パッケージとしては、保守的なホンダの中で異質であり、異端であり、かなり掟破りのプロジェクトでした。
HONDA Ape(50cc・2001年2月)
コンパクトな車体に滑らかな出力特性の空冷・4ストローク・50cc直立エンジンを搭載した原付スポーツモのNプロジェクトの第1弾モデル

HONDA ZOOMER(50cc・2001年5月)
従来のスクーターのデザイン、機能などの概念にとらわれず、全く新しい発想から生み出したNプロジェクトの第2弾モデル。発売以来、ネイキッド(カバーの無い)スタイルに、前・後の極太タイヤや、デュアルヘッドライトを採用した新感覚のデザインがスクーター新規購入の若者層を中心に大変好評を得ている。

HONDA Bite(50cc・2002年1月)
Nプロジェクトの第3弾モデルとして、若者が気軽に街に集まりコミュニケーションするシーンをイメージして開発。スリムで個性的なスタイリングに加え、乗る人の体格やその日の気分に合わせて工具なしでシート高を7段階に変更できる、新機構のアジャスタブルシートを採用するなど、新感覚の乗り味とスタイリングを実現したモデル。

HONDA Solo(50cc・2003年3月)
Soloは、日常の移動手段としてはもとより、ファッションアイテムの一部として乗る喜び、持つ喜びを満喫できるバイクを目指し開発したNプロジェクトの第4弾モデル。外観は、乗る人の個性を引き立てるシンプルなデザインとしている。エンジンは、低燃費で環境性能に優れた、スーパーカブ系空冷4ストローク50ccエンジンを搭載するとともに、初心者の方も操作がしやすい自動遠心クラッチを採用している。

HONDA PS250(250cc・2004年4月)
PS250は、「ラフ」「タフ」「ブコツ」をキーワードに、シンプルでありながら様々な用途で独創的な使い方が可能な「道具」を目指し開発。Nプロジェクトの第5弾モデル。

HONDA NP-6(125cc・2005年10月東京モーターショー参考出展車)
若者のストリートカルチャーを表現した、ロー&ロングスタイルのコンセプトモデル。街で遊ぶ若者のためのファッションアイテムとして開発された、クールなスタイルを演出するロー&ロングバージョン。手足を前に投げ出すライディングポジション、ひときわ個性的な存在感が魅力のモデルです。

PS250

この中でもPS250は一際異彩を放っていた250ccのビッグスクーターで、個性的な見た目で人気のバイクです。デザインはポップで無骨でオシャレなバイク!特に後期型(2005年12月~)はその見た目から50ccのズーマーじゃないの?っとよく間違われますが、PS250は250ccであり、実はデザインもまったく異なります。おそらく2眼ヘッドライトで似てるように見えるのかと・・・
スタイルは、個性豊かな若い人達の感覚を捉えた、ネイキッド(カバーの無い)スタイルで、車体をとりまく太いパイプフレームが特徴的なデザインとしている。
また、スクーターと同様にギア変速なしの無段変速式(Vマチック)と、前・後輪連動ブレーキシステムにより、簡単で安心な操作性としている。ネイキッドスタイルでアメリカンカスタムバイクのようなゆったりとした乗車姿勢とスクーターと同様の操作性は、モーターサイクルの開放感とスクーターの快適性を両立した新しい走行感を実現している。
さらに、フラットで低シート高のタンデムシートは、後部シートへの乗り降りがしやすく、ライダーとパッセンジャーのコミュニケーションの向上が図れる。これまでにない可倒式のシートは、運転者の大型バックレストとしても使用可能であり、空いたスペースはフラットで大きな荷台として活用が可能である。
乗る人の個性際立つスタイリング
シンプルなバーハンドルと四角形のデザインで統一した灯火器類、シンプルで視認性のよいメーターパネルが、特徴的な太いパイプフレームの骨太デザインとあいまって、個性際立つスタイリングとしている。 さらに可倒式シートを採用したことで、二通りのスタイリングを楽しむことができ、機能的で利便性に優れたモデルである。
車体を取り巻く太いパイプフレーム、剥き出しのヘッドライトにウィンカー、250ccクラスの他のスクーターとは、一線を画したスタイルが特徴的なPS250。250ccクラスのスクーターでは、多機能なデジタルメーターが主流ですが、PS250のメーターは、スピードメーターとトリップメーター、それに燃料メーターの3つだけ、しかも全てアナログメーター。なによりも、スクーターでありながらメットインがありません。不便に思うかもしれませんが、それ以上にこの割り切ったデザインがいいんです!

大小あわせたゆとりある積載性
タンデムシートを大型バックレストとして使用した場合、空いたスペースはフラットな大型キャリアスペースとして活用が可能。積載性を重視し、グラブレールや荷かけフックも装備しており、大きめの荷物の積載も可能としている。また、ヘッドライト上部にはフロントキャリアも装備し、小物の積載を可能としている。 さらに、タンデムシート右下側には小物の収納に便利なロック付きユーティリティーボックスを装備している。
自在の可倒式シート
シートは前後90mm、10段階でスライドし、体格に合わせ最適な乗車位置の確保を可能としている。操作は、跨ったままシート前下部にある鍵穴にメインキーを差し込み、レバーによりシートをスライドできる。 タンデムシートは、低シート高となっておりパッセンジャーは乗り降りをしやすく、またこれによりパッセンジャーの目線がライダーと同じ高さにくることで、コミュニケーションがとりやすく一体感ある走行を楽しむことができる。また、可倒式シートとなっており、シート右横のレバーを操作するだけでシートを起こし、大型バックレストとして使用可能。ライダーは跨る乗車姿勢をとり、ステップボードに足を置くことでゆとりある姿勢で快適な走行が可能である。

主要諸元
通称名 | PS250 | |
---|---|---|
車名・型式 | ホンダ・BA-MF09 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.085×0.795×1.090 | |
軸距(m) | 1.455 | |
最低地上高(m) | 0.135 | |
シート高(m) | 0.725 | |
車両重量(kg) | 171 | |
乾燥重量(kg) | 159 | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃料消費率(km/L) | 37.2(60km/h定地走行テスト値) | |
最小回転半径(m) | 2.3 | |
エンジン型式・種類 | MF04E・水冷4ストロークOHC単気筒 | |
総排気量(cm3) | 249 | |
内径×行程(mm) | 72.7×60.0 | |
圧縮比 | 10.5 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 14[19]/7,000 | |
最大トルク(N・m[kg・m]/rpm) | 21[2.1]/5,500 | |
燃料供給装置形式 | 気化器式(VE3BM) | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火装置形式 | フル・トランジスタ式 バッテリー点火 | |
潤滑方式 | 圧送飛沫併用式 | |
燃料タンク容量(L) | 12 | |
クラッチ形式 | 乾式多板シュー式 | |
変速機形式 | 無段変速式(Vマチック) | |
変速比 | 1 速 | 2.250~0.830 |
キャスター(度)/トレール(mm) | 28°00´/92 | |
タイヤサイズ | 前 | 110/90-12 64L |
後 | 130/70-12 56L | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ディスク |
後 | 油圧式リーディング・トレーリング | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | ユニットスイング式 | |
フレーム形式 | バックボーン |
極端な例では、こんなに荷物を載せることもできますww
積載制限は守りましょうw

自分はバイクを買う時に釣りに行く前提だったので、このバイクを選択しました。もちろんデザインも大好きなのもあるんですけどね。
このバイクで北海道を一周したこともあります。とても乗りやすくて、乗ってても楽なので、北海道も楽しかったです。



アウトドアとの相性がいい
PS250はその無骨でラフなデザイン、またミリタリールックな特徴がアウトドアとの相性は抜群です。まさにNプロジェクトで若者をターゲットにした戦略がズバリとはまっています。
背もたれがあるので長距離ドライブも苦にならずツーリングにはもってこいです。
珍しく遠出してます^^ #PS250 #道志みち pic.twitter.com/snDxP6cfKe
— 55Fishing.com (@55fishingC) April 1, 2023
また、そのデザインや積載量のおかげでアウトドアとの相性は抜群で、道具を沢山積んでキャンプに行くにはもってこいです。
キャンプしてきました^^ #PS250 #山中湖 pic.twitter.com/m6HnLxxczC
— 55Fishing.com (@55fishingC) April 1, 2023
もちろん釣りにも最適です。
釣り納めです!!#PS250 pic.twitter.com/ddLKDFcFsF
— 55Fishing.com (@55fishingC) December 29, 2022
カスタムが楽しい
俳優の岩城滉一がPS250をカスタム
バイク愛好家としても知られる俳優・岩城滉一さんが、衛星放送スカパー!の番組『〜岩城滉一 Bike Style Life〜 51 SENSE』に出演しPS250カスタムバイクを製作したことで一時期話題にもなっていました。詳しくはこちら(https://mc-web.jp/topics/news/47567/)


ハンターカブブーム
最近はクロスカブやハンターカブが大人気ですが、その要因の一つにカスタムパーツが沢山販売されており、自分が好きなデザインにカスタム出来るということがあります。


PS250は本体自体の販売期間が短かった為、ほとんどカスタムパーツもなく、キャリアやバックレスト等の純正カスタムパーツは価格が驚く程高く、入手するのが困難です。
しかしそれでもコツコツと自分なりにカスタムをしていくとこんなバイクにも変わります(笑)

まとめ
残念ながらPS250は既に生産はしておらず、また販売期間も短かったので玉数は少なく、中古価格は高騰を続けています(汗) 今では、状態によっては販売当時の価格よりも高くなっています。
それでも買いたい人は沢山いるので、とても人気のスクーターです。もし、興味のある方は、是非実車を見ていただくといいと思います!!
街中でもかなり目立ちます!!
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